やっと秋めいて、日々の現場作業もやりやすくなってきました。
現場人間としては、身体を動かし、そして依頼者の希望に適った作業結果を出せることが1つの喜びとなります。
しかし、最近は、現場作業以外に、勉強会や研修会、さらには講演会での講演活動も多く入り、苦手な講演を続けています。
今月は9会場をまわりますが、来月はなんと19会場で話をしなければいけません。
30日の内で19日が講演となりますので、現場を構えることがほとんどできない状況のようです。
あんしんネットでは、遺品整理や福祉整理の現場事例を踏まえて、多くの地域包括支援センターや福祉・介護施設、自治会の要請を受け、講演活動を続けています。「あんしんネットの小さな勉強会」がそれです。
色々とテーマ設定がなされていますが、現在一番多いものが「高齢者の地域での見守りと支援」というものです。
首都圏の様々な地域に現場で出動していますが、どの地域も「高齢者をどう見守り、どう支援していいのかが」まだ、わかっていない有様です。
わかってはいても、現実の問題として、どう動いていいのか、または動くべきか、行動までむすびついていないというのが実情です。
私は研究者でも学者でもないので、それを体系的にとらえて、問題解決の道筋をつけることはできませんが、問題の指摘は、現場目線でできます。
それを講演の中で、参加者へ伝え、すぐに実践できる見守りのポイントをアドバイスとしてお伝えしています。
政府の方針としては、「地域包括ケアシステム」の構築があげられていますが、高齢者を地域で支えていくには大切な指針ではあります。
しかし、その目標があくまでも机上で作成されたものであり、現場への落としこみがまったくできていないのです。
例えば、地域包括支援センターの動きを見てみると、高齢者やその親族からの相談ごとが、毎日数多く入ります。それに対応するだけで、どれだけの時間を要するのか。
人手の問題もあります。包括にスタッフが何人常駐しているのか。おそらく現状の人員ではまったく足りていません。スタッフを増やすには人件費というものが発生し、その経費を誰が負担するのかと言えば、行政サイドのことで、なかなか予算を増やすこともままならないというのが地方自治体の本音でしょう。
そうなると、狭間であえぐのは包括であり、さらには高齢者の見守りや支援まで、手がまわらないというのが見えてきます。
理想と現実のギャップを感じてしまいますが、でも、それを放置したままにしておくと、ますます深刻な高齢者問題が発生してしまいます。
あんしんネットが少しでも手伝いができるところは、講演によって地域でいろんな部署を抱え込むネットワーク作りだと思います。小さな民間企業ですが、ささやかな社会貢献であると考えるのです。
貢献するからには講演料は一切いただきません。また、交通費もしかりです。講演資料も全てあんしんネットのスタッフが用意して揃えます。依頼元の負担をなくすことを最優先に考えるからそうなるのです。
また、お役所的な正式な講師要請書なるものも、時間のロスなので、電話での受付を心がけています。
時として、ダブルブッキングという失態も見られますが、これも中小企業なのでご勘弁いただきたいものです。
先日はそういった中、同じ日の同じ時間で講演がダブり、部下を急遽講師として派遣させました。本人にとっては初めて人様の前で話をするということで、講演前は夜も眠れないくらいに考えこんだようです。しかし、考えること、人前で話をするということは、自分にとっては大いに勉強です。自分を伸ばす、いい機会となります。
今後も、機会あれば若いスタッフも講演ができるようになってもらいたいものです。
私は整理人という現場人間です。
常にそれを重んじて、最前線の現場の声を、多くの方に伝えていきたいと考えています。
現場目線での問題点指摘。
現実を動かしていくために一番必要なことだと思います。
ネットワークが広がりよりよい方向に向かいますよう。
先日、石見さんのセミナーを受講しました。
自宅の整理のためでしたが、コミュニティ問題にも目が開かれました。