最近、マスコミで良く取り上げられる言葉に「セルフネグレクト」があります。
横文字で表記されると、その意味がわからなくなる昔ながらの日本人の私ですが、「自己放任」という言葉で訳されています。
「本人の生活環境や栄養状態が悪化していても、他人に助けを求めない状態」を指します。
私たちの現場では良く目にする光景ですが、まだまだ公には知られていない現象です。
介護や福祉の最前線では、実によくある光景なのですが、その解決策や支援策というものが話し合いの場に出てきていないのも残念なことです。
自分の現在の悪い状況を見捨てたままにしておくということは、その生活の場である住環境が悪化していくことになります。
マスコミを騒がせるゴミ屋敷やゴミ部屋がこのようなことから発生することも多いのです。
それをまた放置しておけば、ひいてはそこで生活している人にとって、孤独死や孤立死に近づくということになります。
実際に、そういう中で亡くなっていたという現場を多く見ていますし、それはやはり地域での問題として、解決していかなければとも考えます。
しかし、このようなセルフネグレクトに陥っている人は、だいたい他人との接触を嫌いますので、社会と孤立した状態となり、居宅内に引きこもりがちとなります。
室内にゴミが溜まってきても、気にしない。
不衛生な環境になっても、無頓着で、「どうにでもなれ」と考えてしまいます。
こんな状態に陥るときは、何らかの引き金があります。
それが家族の死であったり、病気であったり、家族間のトラブルであったりと、要因があるようですが、それに対しての医療や介護の介入が難しいというのが現状です。
その為に、地域社会の中で孤立状態となり、近隣の民生委員さんや地域包括支援センターの職員が声がけをしても、拒否してしまうというケースが大半です。
孤立死もこのようなケースで増えていると研究者は分析しているようです。
私は研究者や学者ではありませんので、一々に分析はしませんが、現場でそれらを感じることは簡単にできます。
次にあげる項目に多く当てはまる方は、用心して下さい。「セルフネグレクト予備軍」に近づいています。
- 入浴や洗顔、歯磨き等を億劫だと感じる、行きたくない
- 部屋の片付けや掃除をするのが面倒だ、行っていない
- ゴミ捨てをなかなか行わない、行っていない
- 栄養バランスを考えた食事を用意するのが面倒だ、行っていない
- 体の不調を感じても病院になかなか行かない、病院を拒否する
- 規則正しい生活を送れない
- 金銭感覚について、極端に節約志向もしくは散財志向がある
- 貯金等の金銭管理を行うことが煩わしい
- 一人暮らしである、家族があまり家に居ない
- 信頼できる友人・恋人・家族等が居ない、遠距離である
セルフネグレクトについては、今後もこのブログを通じて、その現場状況なども含めてお知らせしたいと思います。
あんしんネットのホームページの「セルフネグレクト」を、ぜひ参考にして下さい。
いやあ、参考になります。
これからも、情報よろしくお願いします。